非線形剛性のための機構総合

1. 構造的特異性を利用した非線形剛性機構

非線形剛性を実現するためには,材料の剛性非線形性を用いるのが一般的です.例えば,形状記憶合金であればその超弾性を利用することで,柔らかなものを実現することができます.本研究では,線形ばねと機構の非線形性を利用した非線形剛性を実現します.
下図は設計した機構を示しています.
この機構の回転における剛性は下図のようであり,回転角が零のときは零剛性が実現され,その後回転角が大きくなるにつれて激しく大きな剛性となります.
これは,回転角が零のときに機構が特異姿勢になることによるものであり,機構の構造的な特異性を利用した非線形剛性機構であるといえます.さらに,この機構を膝に搭載した四脚ロボットを設計・試作しました.

2. 衝撃吸収のための非線形剛性機構総合

本研究では,「ロボットの運動」+「非線形剛性」によって変化する剛性を実現します.そのためには,任意の非線形プロファイルを実現する非線形剛性機構を設計する必要があります.そこで,下図にあるような脚機構を考え,これが右図のような床反力プロファイルを持つよう,リンクの長さ等の最適化を行いました.
この結果,適当な初期値から始めた機構は下図のように最適化され,目標の床反力プロファイルは右図のように実現された.
さらに,最適化されたパラメータを用いて試作機を設計し,実現された床反力プロファイルを計測しました.この結果,所望の床反力プロファイルが得られていることが確認できます.
さらに,この試作機を用いて着地の実験を行いました.


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